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「真柴くん！」
教室で呼び止められて振り向くと、ひょろっとした小柄で眼鏡をかけた男子がいる。
クラスでも気弱で目立たない藤井だった。
「あのさ、ちょっと本郷君のことで話したいことがあるんだけど」
「えっ！颯人のことっていったい何を？」
藤井とはほとんど話したこともないし、まして颯人と関わりがあると言うことが意外だ。
「ここじゃ言えないんだ。放課後、体育倉庫まできてくれないかな」

妙に思ったが、放課後言われた通り、体育倉庫まで足を運んだ。
もしかして藤井は颯人のことが好きでラブレターでも渡してくれとでも言うのかな、などと考えたりもした。

体育倉庫に着くと藤井が入り口で待ちかまえている。
「中、入ってくれる」
体育倉庫に足を踏み入れたときだった。