
ロリヴァンプ伯爵の鼻唄🎵
第12章 伯爵と翠
私を担ぎ上げアッと言う間にお屋敷から私を連れ去った野村は、屋敷の外に停めてあった車に乗り込み走り出した!
「――――…おとなしいんですね…もっと暴れるかと思いましたよ」
「…暴れても…私をアレクの元に返してはくれないんでしょ?」
私の体は緊張で固くなっているが――――…悟られないように…必死に冷静を装う
「そうですね…返しません」
車を運転する野村は顔色を変えず前を見てそう答えた
「――――あ…貴方も…吸血鬼なの?凄く…身体能力が高かった…から…」
見た目は普通の人間に見える…
「いえ――――…私は人工吸血鬼です」
――――…は?人工…吸血鬼?
「貴方と同じ…体は人間で血液だけ吸血鬼の…人工的に作られた“人工吸血鬼”です」
――――…私と…同じ?
「フッ――――…貴女だけだと思ってましたか?
私はマクギャレット様が偶然作り出してしまった言わば…サンプル番号0(ゼロ)って所ですかね?なので、不具合も多々要ります」
偶然に…作り出した?サンプル?
「吸血鬼…じゃないの?」
「ん――――…人間ではない…ってだけです…吸血鬼でもありません」
「私も?!――――そうなの?」
私は自分の体を抱き締めた!
