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ギムレット

第17章 アイ・オーブナー  運命の出会い

お前の唇が、俺の唇に重なった。


あれから何年経った?


もう2年か……


俺はもう、女を抱きたいと思っていなかった。


女の身体から発せられる、性という名の欲望のフェロモンの匂いを嗅ぐのにうんざりしていた。


俺は、それほどに女を抱いてきた。



あの秘密男娼クラブで……



あの男娼クラブを卒業して2年。

女へサービスすることのない、自分の欲望を満たすためだけのセックスをする自由を得ても、俺の中で女を抱きたい欲望は湧かなかった。禁欲という名の予防線を自ら張って、女と交わることを避けてきた。


なのに……


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