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ギムレット
第1章 プロローグ
宿命と運命。
私は思う。
自分の力では決して変えることのできない宿命。
自らの力で己を導き、進むべき道を選択し決めていくのが運命。
私たちは、なぜ、今出会ったのだろう。
生まれた時から、愛を知らずに、逃げ場のない場所で
己の宿命に、もがき苦しみ……
私たちはただ、愛を知りたかった。
愛されたかった。
愛したかった。
自分たちが、この世に生まれた意味を知りたかった。
己の宿命を消し去る、運命を生きたかった。
そんな思いを抱いた私たちは、重なるように同じ時代に出会ってしまう。
まるで、この出会いも、この世に生まれた時から、まるで決められていた宿命のように……
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