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遠くの恋人より近くの同僚

第9章 見たくないものを見てしまったら?

「一華……」


足を止めた。


「ぇッ……ぁッ……ホントだ……
あの男の人は……」

「俺の元上司」


橋本課長。


一華と橋本課長は微笑み合っていて
未だ俺と本田の存在に気付かない。


「戻ろう」

「ぇッ……でも……」

「いいんだ。帰ろう」


今度は逆に俺が本田の腕を掴み
グイグイと引っ張る。


別の形で俺の願いが叶ってしまった。


一華のウエディングドレス姿。


隣に居たのは……俺じゃなかったけど。

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