テキストサイズ

遠くの恋人より近くの同僚

第10章 とけない魔法

「はいッ!!OKで~すッ!!
お二方、お疲れ様でしたッ!!」


正直“え?もう?”という感覚だった。


一時間ほどの撮影時間が
10分にも満たないくらいに感じた。


「お二人とも、自然体ですっごく素敵でした。
成瀬さん。魔法の成果はあったようですね」

「魔法?何です?それ」


坂田さんの言葉に橋本さんが首を傾げる。


「橋本さんには内緒です。ですよね?
成瀬さん。ですが、私としては
その魔法がとけないことを祈るばかりです」


そして坂田さんは
橋本さんに聞こえないよう
私の耳元で囁いた。


「お二人のブライダルコーディネートは
私にお任せくださいね」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ