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遠くの恋人より近くの同僚

第14章 キスまでが遠い

「じゃ、どういうつもりだったんです?」


未だに私は天井を眺めている。


「キスするつもりだった」

「されるつもりでした」

「でも成瀬が唇を尖らせてたからやめた」

「ちょッ……私が催促してたみたいじゃ
ないですか……って、なにッ!?」


天井の景色が橋本さんの
どアップに変わった。


「ここで俺とキスをしたら引き返せなく
なるけど」


引き返したところで……


凌馬は本田と……


「引き返さなくて……いいです……」


目を閉じた。


二度目のサインを送る。

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