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遠くの恋人より近くの同僚

第15章 想いが通じ合った時

「成瀬。ひとつだけ……いいかな。
お試し期間が終了して、仮に俺を選んで
くれたら、報告をしない代わりに
下の名前で呼んでくれないか?」

「見掛けによらず、ナイーブなんですね」

「“見掛けによらず”は余計な」


俺は正直フラれることが怖い。


本当だったらサラッと告白して
終わらせるはずだったし
それが格好いいと思っていた。


「ぇっと……下の名前……何でしたっけ?」

「自分で調べろ」


成瀬にフラれてしまったら
こんなふざけた掛け合いも
出来なくなるというのに。

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