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遠くの恋人より近くの同僚

第21章 別れの予感

こういった酒の席で
一緒に過ごす仲のいい同期入社が居ない私は
角のテーブルで腰を落ち着ける。


「成瀬。ちょっといいか?」


恐る恐る私に声を掛ける
同期会幹事の三浦。


見た目ほど怖くないのに。


「どうしたの?」


だから優しい口調で返答する。


「五十嵐から連絡があって不参加だって。
で、それを成瀬に伝えてくれと」

「静岡支店の本田未央もでしょ?」

「そ…そうらしい。じゃッ」


優しい口調で訊ねたつもりだけど
思っていた以上に
私の声にドスが効いていたらしく
三浦は慌てて退散した。

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