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遠くの恋人より近くの同僚

第31章 伝えられない想い

「いいじゃないですか。好きな男性が
他の女性を想っていても。
人の気持ちほど、あてにならないものは
ありませんから」

「それはそうですけど…」


女将の迫力に、つい怯んでしまう。


「大切なのは、同じ空気を同じ場所で
一緒に感じる時間。それに勝るものなんて
この世に存在しません」


…言い切った。


でも、そんなものは所詮理想論。


私としては相手の気持ち…


五十嵐くんの気持ちを尊重したい。


綺麗事だけど。


さよなら…五十嵐くん。

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