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遠くの恋人より近くの同僚

第3章 『好き』と言えたのに……

トイレには行かず、一旦外に出ると
電信柱の影に身を潜め
一華に電話をした。


『……もしもし?』


一週間振りの一華の声。


「一華……風邪は大丈夫か?」

『ぅん』

「ごめんな……本当にごめん。
お見舞いも考えてはいたんだけど……」


“御両親に挨拶することを考えたら
気が引けてしまって”という
見苦しい言い訳はしなかった。

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