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遠くの恋人より近くの同僚

第33章 実は俺も一枚噛んでいる

五十嵐が静岡支店に赴任する前から
海外赴任の話はあった。


一年間、静岡支店で営業の経験を積み
バンコクへ海外赴任のはずだったが
バンコク支店の都合で
半年ほど早まった。


五十嵐の矛先を知っていた俺には
心にゆとりがあった。


いずれ五十嵐は本田の元を離れると。


しかし、本田に内緒で
バンコクへ行ってしまったことは
想定外だった。


付き合い始めた頃は
五十嵐の目に本田は新鮮に映っていたが
現状はどうやら鬱陶しく感じているらしい。

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