
彼の愛は重い鎖のようで、
第1章 恋人以上恋人未満
彼の背を叩き、必死でもがく。
しかし私も女。
男の力にかなうはずもない。
一輝はバタバタと動かす私の手首を頭の上でまとめ、身動きをとらせなくしてしまった。
「な、んで??一輝???」
「……。」
おかしい。らしくない強引な行為だ。
「……いいじゃねぇかよ。いつの間にか誰か俺の知らない奴のモノになってて、」
「一輝……??」
「……でも関係が変わるのが怖くて、動けなかったんだ。でも、そのまま誰かのモノになるんだったら壊した方がマシだ……。」
「一輝??何のことを言ってるの?」
彼の声は悲痛に耐えるように小さく、珍しく顔を歪め泣きそうな顔をしている。
