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林檎の香りがするお店

第1章 どしゃぶり雨が惹き寄せた

アスファルトを打ちつける雨

電車が遅延していて、触る携帯に警報発令のメール

会社に電話すれば、今日は帰っていいとのこと。


まだ新しいヒールは水に濡れてきもちわるい。

駅を出て家までの帰り道

強さを増した風が傘を後ろへ吹き飛ばした
ぐにゃりと曲がった傘にため息がでる

やる気もなくなって濡れて帰ろうと思った時。


『おねーさん、大丈夫?』

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