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林間学校

第7章 ただいま

朝陽が眩しく差し込んできたので翔太と綾音は目が覚めた。

誰の家だか分からないところにいつまでもいるワケにもいかないから服を着て旅立つことにした。

もうすっかり乾いている体操服を着る。綾音も体操服を着ている。もっと綾音の裸を見ていたいと思うと名残惜しい。

それよりも、夢じゃなかったんだ。大好きな綾音と裸で愛し合ったんだと思うと感涙が目から溢れてきた。

「どうしたのよ?」

涙を流している翔太を綾音は怪訝そうに見る。

「ご、ごめん、大好きな綾音と結ばれたんだと思うと嬉しくて涙でてきちゃって・・」

「もう、朝っぱらから何言ってんのよ、本当にバカなんだから」

と綾音は呆れたように言う。でも・・。

「なんか女のコみたいね、翔太って可愛いとこらもあるんだ。もっと好きになっちゃうよ」

「本当か、やっほ~・・あいって~っ」

もっと好きになっちゃうと言われて翔太は飛び上がって喜んだが、飛び上がり過ぎて天井に頭をぶつけて今度は痛い涙を流す。

「きゃはは、本当にバカなんだから、きゃはは」

ぶつけた頭を押さえて痛そうにしている翔太を見て綾音は笑い転げた。

とりあえず家を出て歩き始めた。
どこへ向かえばいいのかは分からないが、できれば出口に辿り着くといいなぁと思って歩く。

しばらく歩くと何やら武器を持った男たちが大勢現れて翔太と綾音を取り囲んだ。

「ひひひ、めんこいおなごじゃのう。ワシが楽しむもよし、高く売り飛ばすもよし」

リーダー格の男が綾音のことをいやらしく舐めるように見る。

男たちはこのリーダー格の男フック船長を頭とする海賊一味で無法の限りを尽くしている。

敵が綾音に対していかがわしいことを企んでいるのは分かる。なんとか綾音を守りたいが、武器を持った男たちと戦う術はない。ここはなんとか逃げる方法を考えたいところだが、こう取り囲まれてしまっては逃げようもない。

「ひひひ、売り飛ばすにしても生娘の方が高く売れる。お前は生娘か?」

フック船長は舐めるように綾音を上から下まで眺める。

綾音は震えながら翔太にしがみつく。

「オレの命に替えても綾音だけは守る」

翔太は恐いのをガマンして綾音を抱きしめる。

「ううむ、キサマらぁ、まさかヤリやがったのかあぁっ」

綾音と翔太の様子を見てフック船長は真っ赤な顔をして怒る。



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