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え?元アイドルのお従兄ちゃんがわたしのクリフェラ係ですか!?

第9章 街での出来事

 なんで今まで気づかなかったのだろう。いや、わかってはいた。だけど意識したことなんてなかったのに……。

「で、この後どうするよ? まだメシにははえーよな。でも疲れたなー」
「あら。じゃあそこのルームで休まない?」

 依里子が提案する。

「おっ、いいじゃねーかそれ。依里子、新しいおもちゃ買ったんだろ? 早速試してみようぜ」
「そうね、わたしも早く使いたいわ」
「決まりだな。……詩菜ちゃんと坊ちゃんはどうする?」

 蓮路がわたしたちを見遣って問う。わたしは戸惑って瞳を泳がせた。

「僕たちもそこで休もうか」
「夕謡?」
「そういえば詩菜は、ルーム使ったことないって言ってたわよね。この機会に場所を覚えておくといいわよ」
「でも……」

 戸惑うわたしの肩に手を置いて、夕謡が言う。その瞳にはどこか、熱が籠っていた。

「僕も、たまには趣向を変えて詩菜に奉仕したいな。……いいよね、詩菜?」

 わたしは結局、その熱に圧された。

「う、うん……」

 そうしてわたしたちは――先ほどのファッションビルからほど近い、「ルーム」へと向かったのだった。

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