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え?元アイドルのお従兄ちゃんがわたしのクリフェラ係ですか!?

第1章 「僕を、きみの専属クリフェラ係にしてほしい」

「詩菜」

 リムジンから降り立った夕謡がまず発した言葉は、わたしの名前だった。――らしい。らしいと言うのは、人混みに紛れてその言葉はわたしには届かず、後から聞いた話だからだ。

 リムジンから降りた夕謡と、校門へと駆け付けたわたしと依里子の前まで、ざっと人垣が割れた。――まるで、モーゼの十戒のように。

 夕謡が右手をわたしに向けて差し出しながら、ゆっくりと歩いてくる。わたしは動くこともできず、夕謡が近づいてくるのを見ていた。
 そしてわたしの前まで来た夕謡は、片膝を立てて跪き、右手を胸にあてた。騎士の礼をとるかのようだった。
 夕謡のやわらかな茶色の髪が揺れる。
 そして、こう言ったのだ。

「僕を、詩菜の専属クリフェラ係にしてほしい」

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