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え?元アイドルのお従兄ちゃんがわたしのクリフェラ係ですか!?

第10章 想い、重ねて

 夕謡がわたしの脚のあいだに自身を差し入れてきて、そのままぬめる秘裂を擦りあげられる。

「ゆう、た……っ」

 はじめて彼の熱を自らの秘肉で感じて、わたしは喘いだ。感覚を夕謡と触れ合う場所に集中させる。
 彼をもっと知りたい、彼の形をもっと覚えたい――
 わたしはぎゅっと脚を閉じて夕謡を締め付ける。

「しい、な……っ、ごめ、もう……っ」

 夕謡が呻く。わたしも高まりを感じて、こくこくと頷いた。

「い……く、ふぁ、あっ、い――――」
「――くぅ……っっ」

 お互いに身を震わせて、絶頂を迎える。
 しばらく脱力したのち夕謡が身を引くと、彼の先端からぽたぽたと白い液体が零れ落ちた。

「夕謡……」
「……詩菜……」

 もう、言葉はいらなかった。熱く視線を絡ませ合いながら、わたしは脚を開いて夕謡を誘《いざな》った。やっと、ひとつになれる――彼の灼熱で貫いてもらえる。
 と、その時。
 電子音の長閑なメロディが流れた。――この音は。

「……こんな時に」

 夕謡が悔しそうに言う。
 その音は、夕謡やわたしのスマホの着信音ではない。ルームの利用が初めてのわたしでも、なんの音なのか予想はついた。制限時間が来たのだ。

「この時間帯は延長できないって、フロントで言われたね……」
「……」

 ストゥプラの学舎にほど近いこの繁華街は、放課後から夜にかけてストゥプラ生でごった返す。それは、レンタルクリフェラルームとて同じなのだ。

「……くそっ」

 夕謡が柄にもなく悪態をつく。
 しかし、どうしようもなかった。

 わたしたちは服を整えると、熱い体を持て余しながらルームを後にしたのだった。

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