地味に甘い君
第15章 年越し有頂天
~赤羽side~
「え!?ヤマト君――――年末帰省しないの?」
年末年始の話をする僕にヤマト君はそっけなくする。
「金もったいない、毎年バイトで忙しかったからな…帰るわけないだろ?」
今年は管理人の仕事があるだけで余裕がありそうなのに…毎年帰ってないと帰らないもんなのかぁ…
「赤羽は…その言い方だと帰るって感じだな」
「まぁね…姉ちゃんや妹がうるさいし…実家も近いし」
聞くところによると、ヤマト君の実家は東北の方らしく…帰るにも何かと費用かさむらしい
「東北かぁ…僕行ったことないかも!行ってみたいなぁ」
「寒いだけだって…赤羽には無理かもな」
――――いやいや、ヤマト君の故郷なら寒くてもいきたいよ僕は!
「それに…実家には誰もいないから。帰ったところで…意味はない」
――――そういえば…僕はヤマト君は家族の事をあまり話さない…
誰も…いないって…
「ヤマト…君?」
「あ~…そんな言い方したら気を使うよな…。居ないって…死んでいないとかじゃないから」