地味に甘い君
第18章 お互いの就活事情
「俺――――最低じゃん…」
俺は曽根さんの名刺に書いてあった番号に…電話をした…
「意外に早く連絡してきましたね――――…内田君」
「お待たせするわけにもいきませんし。」
俺は再び豪華なホテルのラウンジにいた。
場違いだが、この間よりはましな格好で目の前の社長秘書の曽根さんと向き合う。
曽根さんは背も高く凛としていてパンツスーツがとてもよく似合っている。迫力負けしそうです…。
「あれ…社長は?」
「社長は…暴走するので置いてきました。」
「はあ…いいんですか?そんな雑で…」
「いいんです。あのバカは放置されるのも好きですから。」
――――放置って…この夫婦大丈夫かよ…
「で、ご連絡頂いたと言うことは…よい返事だと思ってるよろしいですか?」
「――――あ…いや…断ろうかと…」
「は?断る…とは?」
「俺は…そちらの会社に対して…何のリアクションも起こしていないのに…いきなり採用していただくわけには…それに――――…赤羽の“コネ”とか…なんか卑怯な感じがして…」