
地味に甘い君
第37章 最終章・卒業
「こ、これはやり過ぎだ!結婚前提って事で――――…浮かれてたんだろ!」
「フフフ、内田様のおっしゃる通りでございますね。初めての同棲でございます、こじんまりとして密着率の高いお部屋がよろしいのでは?」
横から財前さんがスッと手頃な物件を赤羽に差し出す。
「ほほぅ~…密着かぁ~、財前さんナイス!」
何件か手頃な物件を見て“密着率”に惹かれた赤羽が目を輝かせる!
「ヤマト君――――…どうかな?ここ…場所的にもいい気が――――って、ご…ごめん僕ばっかり///」
俺がキョトンとしていると赤羽が焦ったように慌て出す。
「尚宏、ちゃんと内田君の意見も聞かないと」
純弥さんが言うと赤羽は少し肩を落として「ハイ…」と呟いた。
