二人のキセキの物語 MN
第73章 スーパースターの二人1 智
だけど 今はそれじゃダメだって感じてる
こんな事じゃ 翔ちゃんには何も伝わらないまま
こんな俺じゃ 翔ちゃんは いつか離れて行ってしまうかも
そんなのダメだ
そんなの・・・絶対嫌だ
翔ちゃんだけは 俺の舞台に上がって来て欲しい
俺の全部を理解して、その上で 俺の隣に居て欲しい、って思う
今まで経験した事無いような 熱い気持ちの塊が
身体の奥の方から ぐわっと湧いて来るのを感じる
その勢いに押されるようにして
気が付いた時には 俺は血の付いたタオルごと
翔ちゃんの手をぎゅっと握りしめていた