二人のキセキの物語 MN
第9章 出逢いの二人9 潤くん
「ニノ、今日暇?軽く呑みに行かない?」
「あ・・ごめん。今日は監督に呼ばれてるから・・」
「あ・・そうなんだ・・わかった、じゃ、また」
「うん、またね。お疲れ様」
撮影が早く終わった時に声をかけると
いつもは嬉しそうにOKしてくれるニノが
何回に一回かそんな風に、断りの返事をすることがあって
それが重なるにつれて 俺の中で もやもやした気持ちが膨らんで行った
思い出したくもないし
そもそも信じていない筈の言葉が 脳裏にまざまざと浮かび上がる
「ニノは 蜷川監督と付き合ってるって噂あるし
深入りしない方がいいんじゃない?」