二人のキセキの物語 MN
第10章 出逢いの二人10 ニノ
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あれは 何年前の事だっけ
初めての映画に出演し、俳優の仲間入りを果たした俺のところへ
監督から ワークショップへの誘いが来た
演者に向かって 怒鳴りつけるのは当然で
時には灰皿が投げつけられる、と噂の厳しい監督に
基礎も出来ていない俺の芝居を
散々にこき下ろされる毎日
「馬鹿野郎!口先だけで、薄っぺらい芝居するんじゃねぇよ!」
「器用にやろうとするな!泥臭くてもいい、もっと魂込めろ!」
「そんな芝居で人の心動かせると思ってんのか!そんな程度の事しか出来ないならやめちまえ!」