二人のキセキの物語 MN
第2章 出逢いの二人2 ニノ
2-1
俺は 元々俳優志望だったわけじゃない
従姉が勝手に申し込んだ 映画の一般公募のオーディション
何を基準に選んだのか
演技の経験もないのに 一次の書類審査を通過し
「一生の記念になるし、お小遣いあげるから受けてみなさいよ」
母親の言葉につられて二次審査を受けた結果 何故か合格
更にそのまま最終審査まで残り
ド素人のまま出演した映画で
監督から「類まれなる才能」なんて評価を頂いたもんだから
母親も 周りのみんなも すっかり乗り気になっちゃって。
とにかく自分の力を試してみろ、と
押し切られるように そのまま俳優業に足を踏み入れたんだけど
映画出演を果たし、現場に触れた事で
どっちかって言うと 俺は演出の方に興味を持つようになった