二人のキセキの物語 MN
第17章 親友の二人1 潤くん
もう何回目のカットだろう
不甲斐なさと申し訳なさで 顔を上げる事も出来ない
「ごめん・・」
俯いたまま小さな声でニノに言うと
「大丈夫、気にしないで」
とは言ってくれたものの
その言葉の裏に
「所詮 潤くんは俳優じゃないもんね、仕方ないよ」なんて
ため息交じりの諦めが透けて見える気がしてしまう
そんなの俺の勝手な思い込みだってことも
ちゃんとわかってるのに 止められないんだ
「少し休憩しよう」
助監督からそう声が掛かった時には
自分が情けなくて へたり込みたくなった