二人のキセキの物語 MN
第26章 親友の二人10 ニノ
「勿論いいよ」
電話の向こうでまーくんが からっと笑う
「家賃は収入の30%以下に、ってのが目安なんだって。
自分に当てはめてみたら分かるでしょ」
「そうなの?・・・じゃあ・・・そっか・・・。あー・・・でもなぁ・・・」
「ふふ・・・もしかして安定性のこと考えてる?」
「終身雇用じゃないからね、ある日突然無職になったりする可能性も・・・」
「あはは・・名前も知られてない駆け出し俳優ならともかく
ここまで来て急に仕事無くなるとか 無いでしょ。それにそんな事は
会社勤めだって言えるよ?このご時世、どんな大手だって絶対じゃないからね」
「う~ん・・・そう言われるとそんな気もしてくる。
あのさ、ちなみにまーくんはどんなとこ住んでるの?
広尾だよね?やっぱ家賃高いんでしょ?」