
二人のキセキの物語 MN
第62章 背中合わせの二人8 潤
「は~ぁ、現実は甘くないな」
もう限界だ、いい加減寝ないと
スマホのケースを閉じて目を閉じる
でも、さっきまであんなに瞼が重かったのに
いや、今だって 相当眠い筈なのに、
いざ眠ろうとすると なかなか寝付くことは出来ない
余計な事ばっかり頭に浮かんで
リラックスして眠る事が出来ないみたいだ
そうだ、こういう時のα波BGMじゃないか
スマホのアプリを起動させて
波の音と共に流れるゆったりとした音楽を小さな音量で聞く
そのうちにだんだん意識が深い所に落ちて行き
いつの間にか眠ってしまったんだけど
相変わらず俺のスマホから
着信音が聞こえる事はないままだった
