二人のキセキの物語 MN
第63章 背中合わせの二人9 カズ
オールアップになっても すぐに解散とはならないみたいだ
俺は「監督の寵児」みたいな位置づけらしく
前作と絡めてのインタビューも多く受けたし
かと思えばデイン、エマと3人で、ファッション雑誌のグラビアの仕事もあった
デインと肩を組む俺の腰に エマがするりと腕を廻し
頬を寄せてにっこりほほ笑む
思わずどぎまぎしたところをカシャリと切り取られて
「あ、ちょっ、今の使わないで!」
思わず日本語で叫んでしまった
きっと意図は伝わったと思うんだけど
カメラマンは意味ありげにニヤッと笑っただけで
約束はしてくれないまま
せっかく流行のファッションに身を包んで
ポーズ取ってるのに
赤い顔で狼狽えてる写真なんて・・・
潤ならカッコよく写して貰う術を知ってるんだろうけど
グラビアやポスター撮影に、未だに慣れない俺は
いつまでたってもカッコよくキメられないままなんだよなぁ
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