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本気になんかならない

第21章 古りゆくもの

昼休み、
かってメグと一緒に弁当を開いたその場所で
座って景色を眺めてみた。

頭上の桜もみじがカサカサとざわめき
はらりと舞う。

それは、紅葉に先駆けて秋の深まりを感じさせた。

「ピューイ」と鳴き声にさらに見あげると、
上空では鳥が輪を描きながら飛んでいた。

人の心と秋の空…
秋空が移ろいやすいというのは真実なのだろうか…。

爽やかに高い空は、うろこ雲の間隔次第で
雨の予感をこんなに感じやすい、俺の大好きな季節なのに。

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