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本気になんかならない

第22章 カラーレス

…だけど、本当は居ないほうがよかったんだ。

鍵を持っている限りは
俺とのつながりは生きている気がして。
その鍵を返してしまった以上、もう、北里に会う口実がなくて…。

口実?
俺は北里に会いたいのか?

、会ったところで……別れるだけなのに。。

「そんなうつろな顔すんなよ。
今夜はくり出すか!」
と、俺の背をぴしゃりと叩く。

その格好で?まさに今、コタツから出てきました状態の彼の服装を見ながら俺は言う。

「俺はしがない受験生」

「あ、そうだったな。
とか言って、お前それ、運転教本じゃねぇか!」

彼は俺の手にあった冊子を取りあげ
かわりに本棚の分厚い問題集を何冊も
ドンドンっと机に置いた。

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