テキストサイズ

本気になんかならない

第23章 メグと彼氏と

部長、副部長、佐倉、小浜さん、俺で始まった。
弓道部員で構成されていた空き教室での勉強会は、次第にほかの部も混じり、日によって人数が少し増えたりもした。

皆で問題を出しあって、わからないところを教えあって、それなりに楽しく過ごしていた。

痛みながらも答えの出せない事柄から
気をまぎらわすことができて、俺としてはありがたかった。

2学期もあと2週間足らずとなり、推薦組は早くも桜咲きだしていたその日。

「ね、宮石君。彼女は元気?」

一番乗りだった俺が机を並べていると、入ってきた女子からそんなことを尋ねられた。

「え?…」

俺がメグとほぼ別れているのは、周知の事実なのに。この人は、知らないでわざわざそんなことを言うんだろうか…。

足元に目を落とす…。
きっとメグのクラスメイトだ、
なら、わかってるだろう?

どう返そうかと迷っていた俺に、その女子は促してきた。

「年上の彼女、いるでしょ?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ