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本気になんかならない

第24章 唯一無二

俺が捕らぬタヌキっぽい羞恥心に襲われていると
左腕をつつかれた。

「佐倉君たちが待ちきれなくって
先に遊んでるんだって。

今、ゴーカートらしいよ。
行ってみよう?」

で、方向を確認して足を進めた。

「私、この遊園地って初めて!」とか
「あとでお化け屋敷に入りたいなぁ」
とかいう小浜さんの話に、なんとなく返事をしながら。

すると途中で、立ちどまるので俺も振りむく。

「あっ、えっと。今、気づいたのだけど
佐倉君と副部長の渚ちゃんだから、そっとしておいたほうがいいかも」

「え?あ、ふたりなの?」

それもそうか。
だったら、部長たちが来るまでゲート近くで待つほうがいいな。

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