テキストサイズ

本気になんかならない

第25章 春雷

少し弱くなったかと思った雨は激しさを取りかえし、顔を寄せないとお互いの声が届かない。

背を伸ばした俺に
うつむきがちな小浜さんのセリフは聞こえないけれど

これでいいんだ

と、あえて空を仰ぎ
雨粒をルーズに数えた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ