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本気になんかならない

第25章 春雷

「災難だったね、寒くない?
早く家に帰りたいだろうけど危ないから
ゆっくり走るよ?
後ろの毛布も濡れて構わないから使って」

帽子をかぶった運転手は優しくそう言い、
「常温の水ならあるけど、もう要らない?」
とつけたした。

「早く来てくださって助かりました」と礼。

そして毛布をかけた小浜さんに確認し、
ちらっと覗いた白い歯に安心した。

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