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そのサークルは、母体が俺の通う大学で、
集合場所も同大学敷地内。
設立当初は、日本の古典文学全般を扱っていたらしいけど、物語や詩などの形式別に徐々に組みわけしていったらしい。

といっても、勢力が弱まれば、
サークルの信用性も弱くなるので
独立はせずに、パート分けのような感じで、協力しあって活動している。

そのなかの短歌組は、近年人気を誇る競技かるたではなくスポーツ色の薄いほう、
和歌をとことん研究する方々の集まり。

それを表わすように、組の入り口には
『紅旗征戎非吾事(コウキセイジュウ、吾ガ事ニ非ズ）※』って迫力の書が飾られている。


※紅旗征戎非吾事：藤原定家の日記『明月記』に記された文章の一部。…戦乱の世のなかであろうと、私は和歌に生きる。