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本気になんかならない

第26章 趣味:和歌

「そう?気になるんだけどな。
…今、誰かとつきあってるの?」

「いーや。部長は?」

「うん、俺もいない」

「そか。お互い自由だな。
じゃ。俺、そろそろ帰るよ。部長は?」

「あ。俺、これからバイト入ってるんだった。
弓道部の追いコンで使った店あるだろ?
あそこで働かせてもらってる」

あの、ピアノ男のいる店か。

そのうち覗いてみるかな。

ピアノ男もいつもいるわけでもないだろうし。
いてもまあ、悪いやつでもなさそだし。

俺たちは部室から出て正門方向に歩きだす。

途中で「俺こっちだから」と駐輪場を指す部長。

「平日の夜はたいてい、店にいるから
また、来てくれよな!」

そう言って、颯爽と駆けていった。

1人家路の俺の上に、初冬の雨が降りだした。

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