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本気になんかならない

第27章 熱

それまでの、いいコの俺を知らない北里は、
そのままの俺を受けいれてくれた。

彼女の前では自由を感じられたから、
ありのままの俺にも居場所はあるんだって、
安心して、とても心地よかった。

それでいて、
素直になれなかった俺ではあるけど。

彼女との未来のためにも自分にできることをやろうって思えた。

あの日までは、俺は

彼女を探しに行かなければ、
彼女に告白しようなんて思わなければ、
知らないでいられたのに。

ずっと利用されたままでいられたのに。

彼女と対等になろうなんて
所詮、身に過ぎた願いだったんだ。

だってもともとの俺自体が、必要のないコ。
なんであろうと、価値なんてない…

そして、俺は自分の気持ちを偽ろうとした
北里の前でも。。

だけど、続かなかった。

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