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本気になんかならない

第28章 green flowers

小春日和の本日、
長らくの休みののちの大学。

補講のスケジュールを確認して
活動日じゃないけれど、サークルを覗く。

学祭の展示物がすっかりなくなった部室は
やっぱり彼女の気配がして

俺はほかの和歌にピアノ男がいないか探す。

なかなか見つからないな~と思っていたら
訪問者、部長がドアを叩いた。

「よお、ぐあいいいの?」

「もうすっかり。
あ、これ。助けてくれてありがとう」

と、カバンに用意していた
お礼の包みを渡す。

「おう。お安いご用だ。
お、デカっ!当社比2.8倍?これ、ラムネか?」

腰をおろした部長は
すぐに包みを開けて取りだした。

「そう。巨人サイズのラムネだって」

「あ、うっまーい。
懐かしさも含めてじわっとくるね」と笑う。

そんな反応にホっとする。
部長の好みってわかりやすくていいよな。
コンビニで見かけて、これだ!って思ったもん。

「宮石にも」
と分けてもらってるうちに
部長は突然立ちあがる。

「…こんなまったりしてる場合じゃなかった!
俺、バイトなんだ!じゃっ、また連絡する!」

ラムネ袋を握った彼は、慌ただしく出ていった。

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