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本気になんかならない

第30章 初デート

つないだ手から腕を伝い、

俺の中心に向かって
小ぶりの一本の矢が放たれたみたいに、
俺を甘く鋭い痛みが突きぬける。

しびれたようにジンジンと来るその波に
乗るわけにいかない俺、

北里の足取りが緩んだことで
手を離す。

「走っちゃ危ないだろ。
ゆっくり並べばいいよ。
時間はあるんだろ?」

「うん、ありがとう…。
和君は大丈夫なの?
そういえば、大学生だよね…?」

「大丈夫だよ。
今日は俺の受けるクラス、ないんだ」

今日は、北里優先。

彼女とふたりでランチできるなんて
きっと今日だけなんだから。。

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