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本気になんかならない

第30章 初デート

北里イチオシのメニューを一緒に食べて
感想を言いあったりして

デザートが運ばれて
目を輝かす彼女を見て

勢いでも誘ってよかったって
くすぶる感情の蓋を閉めて

会計を済ます。

「領収書、ください」

そう言うと、店員さんは
ちょっと意外そうな表情をしながらペンをとる。

その店は、よくある個人商店と同じで
レシートがレジから出てはこなかったけど

俺はどうしても欲しかったから

彼女との記念の領収書なんだから。。


で、こんなことするから
忘れられないんだよな…って思ったけど

それはそれ、

今しか手に入らないんだから、と

俺はその紙切れを受けとった。

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