テキストサイズ

本気になんかならない

第30章 初デート

階段を踏みしめるたびに、コツコツと冷えた音が響く。

俺の胸に、ひとひら、ふたひらと入ってくる。
思ってもしかたのない、
どこにも片付けられない気持ち。。






1階に降りたち、前のドアを押せば景色は様変わる。

5センチ程降り積もった雪が、
街灯を反射して輝いて明るくて。
それはまるで別世界。

足を踏みだして見あげた空に
「しあわせに、ね」と口を動かすと、
そのまま白い息になって浮かんでいった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ