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本気になんかならない

第34章 & # 9 8 2 5 ;

ケーキには、キノコや円錐形のお菓子が敷きつめられて、まるで、子どもたちに大人気の絵本に登場するケーキそのもの。

「意味不明は和史さんですよ。
どうして、俺次第で俺の葬式なんですか?」

「来ない人間と死んだ人間は同じだという名言があるだろう?」

…あるかな?

「知りませんでした。
それで、このケーキって、誰のなんですか?」

今、和史さんがケーキに置こうとしているのは
ハッピーバースデーと描いたプレート。

「教えてやんねーよ。
じゃあ今日、ここに来た理由は、呼ばれたからでしかないんだな?

まあ、しかたない。
でも、来年もケーキ焼いて来てもらおうかな」

俺、約束なんかした?
和史さんの誕生日は、年がら年中だし。
記憶を巡らせている俺に、和史さんは言った。

「てことで、紀ちゃん宅へデリバリーよろしく。
で。がんばれよって、貴志君が」

渡されたのは、俺が持ってきた物よりは小さめの白い箱。

「貴志、来てたんですか?」

「ああ。…また、ケンカしようぜ?
激ニブ星の王子様って」

「どこまでが貴志のセリフですか?」

「心のうちだよ」

結局、よくわからなかったけれど、北里に会えるから…。
貴志にはまたいろいろと、報告したいな。

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