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本気になんかならない

第39章 幸せ所有格

「すみません…」

私としてはこれ以上、話すことはない。
変に期待を持たせるわけにもいかないので帰ってもらおうと、頭をさげたのに。

「玄関で立ち話なんて悪いわ、紀ちゃん。
さあ、どうぞ。散らかってますが、気にされないでください」

客用スリッパを並べ、ニッコリと促す義姉。

「お言葉に甘えまして、失礼します。
すみません、昼間は仕事で手一杯で、こんな時間にいきなり…。
あ、これ。お口にあうかわかりませんが…」

「しかたありませんわ、師走ですものねぇ。
まあ、美味しそうなお菓子!
さっそく、お茶の用意をいたしますね」

そんなの受けとったら、ムゲにできないじゃない。
義姉にそんなこと言えるわけもなく私は、小川さんの侵入に口をつぐんだ。

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