テキストサイズ

本気になんかならない

第39章 幸せ所有格

それでイラッときたようで、小川さんは言葉にトゲをつけだす。

「あの青年は、あなたには似あいませんよ」

その言葉、以前の私なら撃たれてた。
卑屈の沼に、はまってた。

だけど、もう大丈夫。
彼と私は心でつながってる。

「似あわないかどうかは、あなたが決めることじゃありません」

私がキッパリと席を立つと、目を見開いた小川さんは声を荒げた。

「年端もいかない一般事務員ふぜいが、この私に敵うわけないだろ!」

なにそれ?あなた、何様?

小川さんがこんな人だったなんて、年齢や職業で他人を見くだす人だったなんて。

それに、和君のことまで調べたなんて。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ