本気になんかならない
第40章 My own decision
年始のせいか、お客さんは少なくて。
お膳をさげると同時に、ちいちゃんは
「この抹茶ミルク、めちゃうま。
試作段階なんだけど、春頃に出そうと思ってる」
と、私の前に白緑の泡立つ飲み物、紗波にはミルクを出す。
奥でザリザリと変わった音が聞こえると思ったら、さっきのウェイターが重そうな石臼をまわしていた。
「あんなふうに抹茶を何度も挽くとこから始めてさ、茶筅で立てたんだ。こだわっただけに、すっげーぞ、これは」
茶筅だけじゃなく石臼まで?
手が込んでるのね。
そう思って、石臼ウェイターを眺める。
「あれ?あの人、泣いてない?」
手の甲で目のあたりを何度か拭いてる。
粉が目に入ったのかしら?
「ああ、抹茶が目にしみてるんだ。細かいからね。今度はゴーグルつけさすよ」
「抹茶を作るって大変なのね。
そのおかげでとってもきれいな色。まろやかで…。
抹茶ミルクってこんなに美味しかったのね。
またつぎも飲みたいから、定番にしてよ?」
「ありがとう、そうするつもり」
と、そこへ、手があいた武内君が寄ってくる。
いたずらを思いついた男子学生のような表情。
「それ、うまいだろ。
で、本日先着一組様限定、ヘクセンハウス作りっ」
テンション高く、紗波の前にチョコレートやクッキーの入ったホーローバットを置いた。
お膳をさげると同時に、ちいちゃんは
「この抹茶ミルク、めちゃうま。
試作段階なんだけど、春頃に出そうと思ってる」
と、私の前に白緑の泡立つ飲み物、紗波にはミルクを出す。
奥でザリザリと変わった音が聞こえると思ったら、さっきのウェイターが重そうな石臼をまわしていた。
「あんなふうに抹茶を何度も挽くとこから始めてさ、茶筅で立てたんだ。こだわっただけに、すっげーぞ、これは」
茶筅だけじゃなく石臼まで?
手が込んでるのね。
そう思って、石臼ウェイターを眺める。
「あれ?あの人、泣いてない?」
手の甲で目のあたりを何度か拭いてる。
粉が目に入ったのかしら?
「ああ、抹茶が目にしみてるんだ。細かいからね。今度はゴーグルつけさすよ」
「抹茶を作るって大変なのね。
そのおかげでとってもきれいな色。まろやかで…。
抹茶ミルクってこんなに美味しかったのね。
またつぎも飲みたいから、定番にしてよ?」
「ありがとう、そうするつもり」
と、そこへ、手があいた武内君が寄ってくる。
いたずらを思いついた男子学生のような表情。
「それ、うまいだろ。
で、本日先着一組様限定、ヘクセンハウス作りっ」
テンション高く、紗波の前にチョコレートやクッキーの入ったホーローバットを置いた。