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本気になんかならない

第42章 もうひとりの妹

幸いなことにメグは、返事に困る俺をチラ見しただけで追求はしなくて。

何だったんだ、今の質問は…と思いながらも、ちょっと安堵。

続くメグの話に耳を傾けた。

「私ね、両親が離婚したって言ったよね?」

「うん、聞いたよ」

たしか、お兄さんは父方に、お姉さんとメグが母方にって話だったよな。

「だけどね、私があの頃名乗っていたのは旧姓なの。高校で苗字が変わるのって、まわりの目とか気になって。
戸籍上はもう変わっていたんだけど、学校に相談して旧姓のままでとおしてもらっていたの」

メグは正木だったよな。
あれが旧姓だったとして、俺は"メグ"って呼んでたわけだから変わらない。

だけど俺たちはとっく別れたわけだから、姓のほうで呼んでくれって話か?
だったら俺は、それに従う。
そう思って、メグのつぎの言葉を待った。

ひと呼吸置いて、メグが口を開く。

「私の本当の名前はね…北里恵、っていうのよ」

てことはメグは、北里さんか。。

………
…れ?北里ぉ?

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