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本気になんかならない

第44章 オーダー

しばらく指輪を見つめていた彼女が、やわらかく笑う。

「ねぇ、見て。」

彼女の視線の先、
グラスの揺れる月に、ふたりの手が映っていた。

まるで、月面に降りたっているような。

「月に着いたね」

そう言った彼女は、俺の手を握りかえしてくれた。

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