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Memory of Night

第14章 聖夜


「上手いね」


 晃の指が伸びてきて、ボサついたままの宵の髪を耳にかけてくれた。

 その手に反応し、顔をあげる。

 晃は瞳を細め、どこか恍惚とした顔で自分を見つめていた。

 その表情にゾクッとする。

 いつもはすました切れ長の瞳がわずかに潤んで見えた。

 自分の奉仕に感じてくれているのかと思うと、興奮した。

 晃をもっと感じさせてみたくて、晃のものに添えていた手に力を込める。喉の奥までくわえこみ、口をすぼめて吸い上げる。


「……っ」


 晃の、息を詰める気配がした。

 宵が時間も忘れてその行為に没頭していると、軽く肩を押された。


「もう、いいよ」


 晃の声。

 だが宵は、片手で軽く晃の手を払った。


「宵?」


 顔をあげさせようとしたけれど、その手も払われてしまう。


「……そんなに俺のが好き?」


 そう挑発しても、宵が口淫を止める気配はなかった。

 全裸で、自分のものをくわえ込んでいる姿は目にかなり毒だ。

 中肉中背。宵の体は綺麗なラインをしていて、なまめかしいほどの白い肌が、月夜のほのかな明かりを反射し晃を誘う。

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