Memory of Night
第14章 聖夜
晃はさらに奥まで指を差し入れた。
指の本数を徐々に増やしていく。
増やされるにつれ、内壁に鈍い痛みを感じた。
「……きついな。痛い?」
喘ぐ声にも痛みによる変化は表れていたらしい。
指を休め晃が聞いてきた。
だがいつもの癖で、宵はつい首を横に振ってしまう。
「強情っぱり」
呆れたような言葉と共に、晃がまた、指の動きを再開する。
それでも、先ほどのような強引なやり方はしなかった。ゆっくりと抜き差しを繰り返し、時折円を描くようにまわしながら中を広げていく。
宵の声にわずかでも苦痛が混じれば、すぐに動きを緩める。
最初は痛みを伴っていたその行為が、だんだんと甘い疼きを伴ったものに変わっていった。
「挿れるよ」
充分時間をかけて馴らしてから、晃はそう囁いた。
そうして、顔の前に交差するように置かれていた宵の腕を、自分の背にまわさせた。
「しがみついていいから、辛かったら言って」
口調は変わらず優しい。
「――好きだよ、宵」
ここでそんな言葉はズルイと思う。
だって、なんでも許したくなってしまうから。